どうして海外は9月入学なの?

米国などの海外で9月は「Back to school(学校に戻る)」の時期。学年が9月から始まるので、親も子供も大忙しの時期です。日本では学校は4月から始まるのですが、そもそもなぜ日本と海外で学校が始まる時期が違うのでしょうか?


米国で秋から入学する理由

この答えは歴史を見ればわかりやすいと思います。元々、米国やヨーロッパは農業文明だったのですが、農業文明にとって大切なのは農産物の周期。基本的に春から種を植え、秋に収穫をします。家族単位で農業を行っていたので、一番忙しい春~秋の間は当然子供達の手伝いも必要になります。子供達がその時期学校に行ってしまうと十分な労働力を得られず収穫も減り、冬は食べ物が足りなくなってしまいます。そのため、学校は農業が忙しくなる時期の終わり、収穫後にまた始まることになっていきました。


では、なぜ日本は4月から始まるの?

日本も、最初は4月入学ではありませんでした。江戸時代では特に入学時期はなく、いつでも入学できるようになっていました。明治時代になってから初めて海外に合わせて入学時期を決める方針になり、明治初期では9月入学でした。法律上では1900年(明治33年)の第三次小学校令によって正式に小学校が4月入学に定まったのです。(ただし、実際は1892年(明治25年)から採用されていたようです。)4月に定めた理由は政府の会計年度に合わせるためですが、それではなぜ政府の会計年度が4月になったのでしょうか。

明治政府は会計年度を数回変更しており、最初は1月~12月を年度としておりました。さらに10~9月、7月~6月などに変更してからやっと1886年(明治19年)に現在の4~3月に収まりました。この変更には納税と農業が大きく関わっています。海外と同じく収穫は秋に行われるのですが、大きな特徴として日本では収穫するお米が税金の収入源でした。しかし秋に収穫してすぐに年末までに納税するのは難しいため、年度末を3月にずらして納税できるように変更したわけです。

海外も日本も入学時期は同じ農業の収穫時期により決まったことになります。その後日本政府の都合で1919年(大正8年)に高校が、1921年(大正10年)に大学も4月入学となり、現在の制度となりました。


4月と9月でどんな違いが出るの?

各国により会計年度は様々ですが、70%以上の国が9月入学となっております。そのため、入学時期により様々な違いが生まれます。まず学生が一番気になる夏休みの期間が大きく違います!米国では夏休みが、なんと、3か月もあるのです!長期旅行に行く家族や、その間に海外留学する学生もいるぐらいです。さらに入学時期が違うだけで海外の大学へ留学したい生徒や日本の大学で勉強したい生徒が簡単に入学できなくなるため、最近では東京大学も入学時期を9月に変えることを検討していました。


歴史や文化を見るとなぜ海外との違いがあるのかがよくわかります。その違いは言語でも表れてくるのですが、それもいずれブログで紹介していければと思います。


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